なぜ新入社員研修の内容が定まらないのか?
新入社員研修のカリキュラム・内容はお決まりでしょうか。
あまりにストレートな質問ですが、わたしたちの経験上、多くの中小企業において新入社員研修は
- 決まったカリキュラム・内容がない
- 時間をかけて作成しても、なぜか次の年にそれが踏襲されない
ことが多いようです。
忙しいはずの中小企業で、例年、四月が近づくと
「そろそろ新卒が入ってくるから、新入社員の研修カリキュラムを作らないとな」
「どういう内容でいこうか?」
という会話が繰り返されるのを、わたしたちは何度も耳にしてきました。
中小企業で新入社員研修の内容・カリキュラムが定まらないのには、次のような理由があります。
- 採用した人員の年齢構成や部署がバラバラだが、まとめて新入社員研修を行う(高卒の現場職と、大卒の管理部門総合職を一緒に新人研修するなど)
- 採用担当者が研修まで権限がなく、一気通貫で新入社員研修のカリキュラムが組めない
- 特定の人員(経営者や総務部長・事業部責任者など)が、毎年新入社員研修に介入する
ストレートに言ってしまえば、
- 新入社員の構成自体がバラバラな中で
- 「偉い人」たちが「今年はこうしたい、ああしたい」と言う
ことで、新入社員研修のカリキュラム・内容が毎年変わってしまう、ということです。
大手企業ではこういったことはありません。
なぜなら中小企業と違い、部署ごとに入社する人数がある程度決まっているからです。
中小企業ならではの新入社員研修の悩み
中小企業では
「去年は法人営業の学卒が3人、現場の高卒が1人、経理の高卒が1人入社した」
「でも今年は法人営業の学卒が1人、現場の高卒が4人、しかもそのうち1人は新規事業部だ」
といったことが往々にしてあります。
これでは同じような研修を毎年繰り返すことは難しくなります。
とはいえ、例年のように研修内容を変えるのは現実的ではありません。
コスト的にも非常に効率が悪いだけでなく、新入社員研修担当者の負担が大きくなり過ぎてしまいます。
またこれでは新入社員研修の効果検証もままなりません。
毎年のように場当たり的に新入社員研修をするだけ、ということになってしまいがちなのです。
それでは、新入社員研修の内容・カリキュラムはどのようにすればいいのでしょうか。
ポイントとしては「新入社員研修では、内容を盛り込み過ぎない」ということです。
新入社員研修の内容を毎年変える企業ほど、内容・カリキュラムを盛り込みすぎる傾向があります。
「営業担当や総務にも、現場のことを一通り伝えたい」
「会社の歴史も理解させたい」
「MECEやロジカルシンキングなども理解させたい」
こういった内容を、一週間から数ヶ月程度使って実施していくと、新入社員の構成層が変わったり、事業部責任者が変わったりするごとに新入社員研修の内容を変えることになってしまいます。
新入社員研修の内容・カリキュラムで必要なことは?
中小企業の新入社員研修で大切なのは
全員に実施する内容・カリキュラムはなるべくシンプルにする
ということです。
具体的には、生徒・学生から社会人へのマインドセットを、一日から三日程度かけて実施すれば充分でしょう。
現場作業など部門ごとの研修内容は部門ごとに行うべきです。
また会社の歴史や企業理念などは「新入社員研修で一度やって終わり」ではなく、入社年度の違う従業員を集めて(可能であれば全社で)行う方が、理解も深まり効果的です。
新入社員研修は、「型」を決めてしまえば毎年それを使えます。
型が決まれば、年度ごとに振り返りを行うのも容易です。
「あれもしたい、これもしなきゃ」
「今年はこれをやろう」
ではなく、ぜひ「毎年使えるシンプルな新入社員研修カリキュラム」を作ってみてください。
新入社員研修の内容・カリキュラムにお困りの場合は、ぜひわたしたちにご相談ください。